五月病は、主にストレスが原因です。新しい環境に変わる人が多い新年度は、特にストレスが溜まりやすい時期なのです。
五月病は病院などで使われる正式な病名ではありません。医学的には、適応障害、うつ病、パーソナリティー障害、発達障害、パニック障害、不眠症といった病気などがあります。
以下に、五月病と関係のある病気とその症状をまとめました。
・適応障害
気分が優れない、体調不良、うつ症状など
・うつ病
憂うつ、やる気が起きない、寝付きが悪い、思考力低下
・パーソナリティー障害
認知、感情、衝動コントロール、対人関係といった広い領域に障害がある
・発達障害(アスペルガー症候群など)
相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏りなど
・パニック障害
動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を突然起こす
・不眠症
寝つきが悪い、途中で起きてしまい眠れない、朝早く起きてしまう、熟睡できないなど
こんな人は要注意!
五月病は、誰でもかかる可能性があります。なかでも、受験や就職などの大きな目標を達成したことで、燃え尽き症候群(バーンアウト)のような状態に陥っている人や、環境が大きく変わったことで周りにうまくなじめないという人は、ストレスを溜め込みやすいので注意が必要です。
また、五月病の原因とされる適応障害やうつ病といった病気になりやすいタイプの人もいます。このような人は、性格的に几帳面でまじめ、責任感があるといった特徴があり、一人で抱え込んですべてをきちんとしようとします。気負いすぎずに、周りの人に協力を求めるようにしましょう。
五月病対策まずは食事から
そんな五月病を防ぐためには食事も大事な要素。いま、気分が乗らないという人は必見です。
「セロトニン」の効力
セロトニンは神経伝達物質のことで、精神を安定させる作用があるといわれています。このセロトニンが分泌されているかどうかによって、五月病など不安定な精神状態になることを防いでくれるとされています。
脳内物質であるセロトニンですが、意外にも食事によってもその分泌度合いが変わってくるようなのです。
セロトニンを分泌しやすい食品とは?
セロトニンを分泌しやすくしてくれる成分を含む食べ物がいくつかあります。ここでは3つの成分を紹介します。
しかし下記食品を食べたからといって必ず予防ができたり治るわけではないので
セロトニンを分泌しやすくしてくれる成分を含む食べ物
トリプトファン:必須アミノ酸の一種。体内では生成できず食べ物から摂取しなければならない成分。日中は脳内でセロトニンに変化、夜は睡眠を促すメラトニンに変化。
主な食べ物…肉や魚、大豆製品など良質なタンパク質を含むもの
ビタミンB6:トリプトファンだけではセロトニンは生成されず、一緒にビタミンB6の力も必要。
主な食べ物…青魚、鶏肉、バナナ、にんにく、しょうが、アボカド、ナッツなど
炭水化物:トリプトファンを脳内にうまく運んでくれる役割を果たす。
主な食べ物…ご飯やパン。望ましいのは玄米や雑穀入りご飯、またはライ麦や全粒粉パン
このように、いずれかを偏って食べてもセロトニンが生成されるわけではありません。トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物をバランスよく食べることが重要です。
予防のポイント
五月病を予防するためには、ストレスを溜めないことがいちばんです。好きなことをしたり、好きなものを食べたりすることが、ストレス解消につながります。また、運動や規則正しい生活を心がけること、同じ境遇の仲間同士で悩みを共有することも、五月病の予防には効果的です。
・趣味を続けよう!
それまでに続けてきた趣味がある場合は、継続することをおすすめします。パズル、プラモデル、絵、料理……なんでもかまいません。好きなことをして、ストレスを発散しましょう。
・運動をしよう!
精神的な疲労は、運動で肉体的な疲労に変えられるといわれています。精神疲労は数日の休息では回復しませんが、肉体疲労はたいていの場合少し休めば回復します。「体が重い」という感覚が何日も続くようならば、体を動かしてみましょう。
・体のリズムを整えよう!
不規則な生活は、人間が本来持っている体内リズムを乱すため、肉体の健康のみならず、心の健康を害しやすくなります。また、PCや携帯電話、テレビのライトの刺激によっても体内リズムが崩れることがあります。深夜までの仕事や、就寝前にデジタル機器に触れることは避けましょう。
・同じ境遇の仲間を探そう!
環境や立場が変わると、強いストレスを感じることがあります。程度の差はあれ、周りには同じようなストレスを抱えてる人がたくさんいるので、それを共有して、ストレスを発散しましょう。同世代の友人や職場の仲間と、悩みや愚痴を言い合うだけでも、ストレスの解消につながります。
最後に
もし五月病かな?と思い当たる節があるなら無理はせず早めにかかり付けのお医者様に
相談してください。
放置して症状がひどくなる場合もあります。
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