岸田文雄首相が就任してから約2ヶ月が経ちましたが、内閣の支持率は低迷の一途をたどっています。10月20日に発表された日本経済新聞の世論調査では、内閣支持率は29％となり、前回調査の35％から6ポイントも下落しました。これは、岸田内閣の発足以来、最低の数字です。
内閣不支持率は、前回調査の50％から53％に上昇しました。不支持の理由として最も多かったのは「政策に期待できない」で49％、「人事に不安がある」で25％、「首相のリーダーシップに欠ける」で23％でした。一方、支持の理由として最も多かったのは「他に適当な人がいない」で38％、「政策に期待できる」で24％、「首相の人柄が良い」で18％でした。
岸田内閣の支持率低下には、様々な要因が考えられます。例えば、新型コロナウイルス対策や経済再生策に対する国民の不満や不安、与党内部の対立や混乱、野党やマスコミからの批判や追及などです。しかし、最も大きな問題となっているのは、岸田首相と旧統一教会との関係です。
旧統一教会とは、韓国人宗教家・文鮮明氏が創始した新宗教団体で、世界平和統一家庭連合という名称を使っています。この団体は、文鮮明氏を「真の父」として崇拝し、世界中で集団結婚式や政治活動を行っています。しかし、この団体は、カルト教団として批判されており、日本では「幸福の科学」と並んで「特定怪しげ宗教団体」として監視されています。
岸田首相は、旧統一教会と深い関係にあることが明らかになっています。岸田首相は、2009年から2012年まで自民党幹事長を務めた際に、旧統一教会系の団体から多額の献金を受けていました。また、岸田首相は、2015年に文鮮明氏の妻・韓鶴子氏が主催した「世界平和女性連合」の創立記念式典に出席し、「平和への貢献」を称えられたこともあります。
岸田首相は、旧統一教会との関係を否定しようとしていますが、国民からは信用されていません。日本経済新聞の世論調査では、自民党の支持者の68％が、岸田首相は旧統一教会との関係を「断ち切れない」と回答しています。また、岸田首相が旧統一教会との関係を「説明できない」とした場合、自民党の支持者の76％が「内閣不支持になる」と回答しています。
岸田内閣の支持率が低下する中、与党は来年の衆院選に向けて危機感を募らせています。岸田首相は、衆院選を「早期に行う」と表明していますが、解散のタイミングや条件は明らかにしていません。一部の与党議員は、早期解散を求めていますが、多くの議員は、支持率回復を待ちたいと考えています。
しかし、支持率回復の見込みは薄く、「解散できない」状況に陥っています。岸田首相は、旧統一教会との関係をどう説明するか、どう断ち切るか、という難題に直面しています。また、新型コロナウイルスや経済の動向も不透明です。さらに、野党は統一戦線を張り、与党に対抗しようとしています。
岸田内閣は、与党の求心力を高めることができるのでしょうか。国民の信頼を取り戻すことができるのでしょうか。衆院選は、岸田内閣の命運を左右する大試金石となりそうです。
【結論：解散の行方は不透明】
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